水耕栽培のイチゴの「根毛」。
水の中ではねが約60日ほど長く健康である。
だから、土耕いちごより・・・60日良品イチゴを生産できる。
僅か60日・・・延長するだけの技術・・・それが水耕栽培である。
イチゴは多年草植物である。
水耕では・・・何年も生きられない。
限界がある。
2年、3年・・・継続できない・・・。
根毛イチゴの限界
「根毛イチゴ」。
これまで、日本のイチゴ栽培では、「根毛イチゴ」に疑問を抱く人はいなかった!
植物は「根毛」で養水分を吸収して、
葉で光合成を行って、この澱粉のエネルギーで生きていると・・・
どんな本にも書いてある。
この科学的理論に疑問を挟むことは出来ない「真理」だからである。
イチゴ栽培も同じである。
この理論を基にして、これまでのイチゴ栽培は構築され、
多用な資材、設備が開発されてきた。
現在のイチゴ関連栽培技術、資材では、これ以上望めない状態である。
つまり「イチゴの栽培の限界」「イチゴ栽培の壁」である。
イチゴはバラ科の多年草植物である!
根毛では、同じ場所で永年生き続けることはできない!
これがイチゴ栽培の基本中の基本である。
これを理解しながら、あえて、農業でのイチゴ栽培では「一年草」扱いで栽培している。
この多年草としてイチゴを・・・あれこれ人間の知識と技術で・・・一年草にしているが、
この中にイチゴのほとんどの問題が潜んでいる。
その問題とは「根毛イチゴ」である。
枯れ落ち葉が・・・栽培から欠落していることである。
「木材腐朽菌」が欠落しているからである。
地球の地表の支配者は「木材腐朽菌」である。
イチゴは、木材腐朽菌の支配下で生き続けてきた植物。
この自然の法則を、イチゴ栽培では・・・いきなり削除して行ってきた。
石垣イチゴ。
貧しい土壌の石の隙間でも生き続ける姿から・・・
そういう栽培が発明されたようであるが、
石の隙間には・・・枯れ落ち葉が吹き溜まりとなって堆積したという過去がある。
それを木材腐朽菌が分解していた。
ランナーは・・・そういう場所を探しに探して伸びる。
石の隙間にあるのは・・・腐葉土ではない!
木材腐朽菌が分化した「朽葉土」である。
醗酵腐敗した出来たものが「腐葉土」。
木材腐朽菌が朽ちらしたものが・・・・地球の地表にある「朽葉土」である。
粘土と「朽葉土」がミックスしたものが「土壌」である。
イチゴは・・・そこに根を伸ばす!
その根は、木材腐朽菌と共生するために「菌根」である。
根毛イチゴは・・・
元気でいられる期間は定植後、土耕栽培では約150日ほど。
水耕栽培では約200日ほど。
これが・・・現在のイチゴ栽培の壁である。
一年・・・365日・・・元気に出来ない。
ここに、品種の問題もあるが・・・・5月で収穫終わりにならざるを得ない。
根毛では、大きさ、糖度、品質、日持ち、夏負け・・・を防ぐことはできない。
炭酸ガス施肥が効果があるのは、株が元気である期間である。
根が弱れば・・・意味がなくなる。
しかし・・・今後、種子イチゴ、四季成りイチゴ、夏イチゴの栽培では・・・・
もっともっと長い期間・・・元気を維持持続しなければ成らない。
根毛イチゴでは・・・根毛が死ぬ、剥脱・・で無理。
「菌根」なら・・・持続できる!
「根毛イチゴ」は、本当に本当のイチゴの姿なのか?
こんなことを考えたのは、日本再生循環緑化研究所の宇井 清太のみであろう。
イチゴ自生地の「イチゴの根」。
木材腐朽菌と共生した「菌根「イチゴ」であることを・・・を発見した。
これまで、イチゴ業界、研究者は、イチゴが「枯れ落ち葉」の中に自生していることに、
注目してこなかった。
畑で見られるイチゴの根が、本来の根であると思ってきた!
ここにイチゴ栽培に「盲点」があった!
「木を見て山を見ない」・・・イチゴ栽培である。
右写真は水耕栽培イチゴの「根毛」である。
水の中では、根毛で養水分を吸収する。
現在の木材腐朽菌が生息していない培地・・・モミガラ、オガクズ、ピートモス、ヤシ繊維、
クリプトモス・・・これらは、水の代わりの「詰めもの」である。
水は水槽の「詰めもの」。
つまり、自生地の木材腐朽菌が生きていない培地では、水も固形培地も、
イチゴの根は「根毛」を持った「根毛イチゴ」である。
「根毛イチゴ」。
このことが、植物では当たり前のことと認識されてきた。
葉の光合成を最大にすれば、「糖度のの高い」イチゴが出来る!
そういう考えである。
・・・・・・
この考え方が、本当に正しいのか???
この考え方には、一つ重大な「盲点」がある。
その盲点とは「イチゴは多年草植物」であるという絶対の根本である。
一季なりイチゴは、多年草植物であると同時に「冬型植物」である。
秋から春には盛んに年も葉も伸ばすが、初夏になれば衰える。
根毛を新たに発生させないようになる。
自生地では「菌根」だから、根毛を出す必要がない。
子株が成株になるまでは根を伸ばすが、成株になれば、
最小限の根で生きようとする。
そのために木材腐朽菌と共生している。菌根を持てば多く根が必要ない!
この根毛イチゴ、水の中で「永年」生き続けることが出来るのか?
根毛というのは、土の中では数日間の寿命である。
単細胞の根毛は直ぐに老化して死ぬ。
常に新しい根毛を作らないと、養水分を吸収できないからである。
この細胞増殖に多くのエネルギーを消費している。
限られた光合成で作るエネルギーの中から分配したものである。
木材腐朽菌が生きていない培地では、初夏の生育末期には「老化」する。
これは本当は「老化」ではなく、多年草の夏を乗り切る「方策」である。
「休眠」に近くまで生命活動を抑えて・・・ランナーに全力を・・・・
エネルギー資源を集中して・・・子孫を残す!
そのための「菌根」である。
初夏から夏は温度が高くなるから、木材腐朽菌が作るブドウ糖が多くなる。
このエネルギーを利用すれば葉は・・・あまり働かなくとも・・・何とかなる!
土より・・・人間が完全に管理できる水耕の方が、
根毛の「老化」「発生回転速度」が遅いから、安定した品質を継続できる。
そういうことのようである。
葉で光合成を多くしてもらうには「炭酸ガス施肥」を行なえばよい。
そういう考え方である。
しかし「根毛」という単細胞は脆弱である。
養液の濃度、温度の少しの違いが致命的である。
養液は、非常に変化しやすい。
これを、人間の管理でベストに出来るのか????
現在のイチゴ栽培は、人間がベストに出来る・・・という考えで生まれたもの。
本当に、現在に培地、培養液が・・・イチゴが喜んでいるのか???
養液の成分が本当に・・・イチゴがお望んでいるのか???
イチゴが本当に望んでいるのは「木材腐朽菌」と「ブドウ糖」である。
これが削除された養液というのは、
・・・どうにか・・・それでも生きることが出来る・・・程度のものである。
イチゴは森林の「光負け組植物」である。
本来の姿は、多くの果実を実らせるように進化した植物ではない。
だから、一つの果実に多数の小さな種子を抱かせている。
少ないエネルギーで・・・子孫を残すための「工夫」である。
多年草植物は単年度の多くの種子を実らせるより・・・・
永年に渡り・・・種子を作り続けるという進化をした植物である。
水耕栽培とイチゴの進化の方向に大きな乖離がある。
一年草のトマトと同じ「多収穫」と「糖度の高い」イチゴは出来ない。
葉で行う光合成の仕方に大きな違いがあるからである。
イチゴは「平屋」である。
トマト、キュウリは「高層ビル」である。
単位面積あたりの光を受ける面積の違いである。
養液、培地の問題で、、水耕の養液にはエネルギーが含まれていない!
自生地の土壌には木材腐朽菌が作る「ブドウ糖」があるが、
養液には「ブドウ糖」が含まれていない。
つまり、水耕栽培のイチゴの根は「菌根」でない。
「根毛イチゴ」である。
養水分を吸収するだけの根に過ぎない!
菌根イチゴのように「エネルギー」を調達できる根ではない。
平屋建てのイチゴの葉。
光合成で作る・・・澱粉量は・・・葉組の構造に制約される!
地面に這い屈つばって生きる植物の・・・どうしようもない宿命である!
なぜ、イチゴは、バラ科植物でありながら、桜、梨、リンゴのように樹木にならなかったのか?
地面に這えば・・・充分な光合成など出来るわけがないことを知りながら・・・
現在のイチゴ栽培の技術は・・・・資材は・・・・
このことを説明できない。
他の立体構造の葉組の植物と同じ見方でイチゴを見てきた。
トウモロコシ、トマト・・等の一年草植物とは根本から違う進化である。
イチゴが同じ場所で永年生きるために備えた「裏技」。
それは、菌根を持つこと。
木材腐朽菌と共生すること。
木材腐朽菌が作るエネルギーを、調達することであった。
根から水分を吸収して、葉でエネルギーを作り植物は生きてきた!
こんな単純なことで、植物は3億数千万年生き続けてきたのか????
科学は、植物の本当の姿の・・・一部分を暴いたに過ぎない!
現在の科学的な農業技術を全て投入しても、イチゴの壁は破ることが出来ない。
益々迷路に入るだけである・・・。
ならば・・・自然の法則にしたがった栽培を行うことであろう。
バナナの「新バナナ病」は・・・現代科学では根絶できない。
自生地では・・・こんな病気が出ない。
イチゴも、バナナも・・・根底にある問題は同じである。
itigo suikou